ヘルスケアへの道

learning → study → research でいうと 今は learning 状態です。

3. 「感銘を受けた言葉」精神科医・中井久夫 前編

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孤独・孤立 〜ぼっち研究〜
精神科医中井久夫

 

西梅田での、北新地クリニック放火事件 や 東大での、大学入学共通テストの受験生らが刺された事件 などが連続して発生している状況は ある意味「心のケア」が必要だと思う瞬間でもあります。

今回は、阪神・淡路大震災に際しての、被災者の「心のケア」の仕事でも知られる 精神科医中井久夫先生 の書籍から。


中井久夫先生が「感銘を受けた言葉」とは

ポール・ヴァレリー の
『人は他者と意志の伝達がはかれる限りにおいてしか自分自身とも通じ合うことができない。それは他者と意志の伝達をはかるときと同じ手段によってしか自らとも通じ合えないということである。』

このポール・ヴァレリーの文章に対して
「折り合いをつけ」る” という一見平易なキーワードを使って、「内面で心の均衡が保てる状態=自分と折り合いをつけられる状態」とした。


これは中井先生の観察眼につながり
『その人が他者とどう接しているかを観察することで、その人が自分自身とどう「折り合いをつけ」ているか推測できる』という。


なるほど
精神科医の領域から実際、ほとんど絶対に他者と通じ合えないようにみえる患者は何よりもまず自分と通じ合えていない。』
という痛烈な現場感覚はそこから来ているのか と思った。

 

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※写真は記事とは関係ありません、段落分けとして貼り付けています。

 

具体的な例として
荒れている少年
咎めてとめどなくなる教師
片思いがストーカーへ
も『自分自身と「折り合い」を付けていれば、反抗心や執着心が「肥大」することなく、他者と意志を通じ合わせることができる』と。


前編でのわたしの結論は
孤立しても最終的には、自分で折り合いをつけるしかないのである。

 

続きは 後編で、「意志の伝達」について考えていきたい。


今回は、1997年発表の「アリアドネからの糸」に所収されている「感銘を受けた言葉」から引用(引用した部分は『』)しております。アマゾンにもused本しか売っていないので、比較的新しい中井先生のコレクションを最後に紹介しておきます。おりしも、昨今の事件を想定したかのようなタイトルですが

世に棲む患者 中井久夫コレクション 1巻


以上 孤独・孤立 〜ぼっち研究〜  でした@